
物件は載せているのに、自社サイトからの問い合わせが少ない。紹介文を書き足そうとしても、「駅近」「おすすめ」「設備充実」ばかりになる。
そんなときは、検索キーワードを足す前に見直すことがあります。その部屋を選ぶための情報が、ページにそろっているかどうかです。
先に結論です。物件ページのSEOで大切なのは、その住戸だけの確かな情報を、正しい募集状況と一緒に出すことです。整えるのは次の5つです。
- タイトル:どの物件の、どの部屋かが分かる
- 紹介文:確認した事実と、使い方と、確認点がある
- 写真と間取り図:説明文と同じ部屋のものになっている
- 募集状況:成約したら、すぐに直す
- 問い合わせまでの道:スマホで最後まで迷わず進める
この記事では、賃貸の住戸を例に、この5つを順に説明します。情報を整理する考え方は、売買にもそのまま使えます。
ひとつだけ、お断りです。広告に必要な表示事項は、物件の種類で変わります。実際に載せるときは、当てはまる規約の別表と照らし合わせてください。
物件ページと、地域の一覧ページは役割が違う
書き方の前に、ページの役割を分けておきます。
- 地域・駅の一覧ページ:候補を絞り込むための入口
- 物件ページ:ひとつの住戸について、決めるための場所
たとえば「駅名+賃貸」で探す人は、まだ候補を比べたい段階かもしれません。「建物名+間取り」や「建物名+部屋番号」で探す人は、特定の物件の条件や写真を見たい可能性があります。
ただし、これは検索の意図を整理するための例です。実際にどんな検索が多いかは、自社の検索データで確かめます。
Nutritsが不動産会社のサイトを改善したときも、最初にやったのはページを書くことではありませんでした。大手のポータルサイトと同じ見せ方では、埋もれてしまうからです。「どの相談なら選ばれるか」という得意な領域を先に決め、そこからページの構成を考えました。物件ページと一覧ページの役割分けも、同じ考え方です。
Nutritsが支援した川口市の不動産会社のサイトは、検索で上位に表示されました。2023年時点で、「川口 賃貸管理」で1位、「川口 不動産管理」で2位です。
ただし、どちらも物件ページの順位ではありません。「地域名×業務名」の検索での例です。物件ページの評価とは、分けて見てください。
この会社の2023年度の売上は、前年比120%でした。売上の伸びは、サイトだけの成果とは言い切れません。物件ページでも、まず「どの検索で、何を決めてもらうページか」を決めるところから始めます。
役割を決めると、すべてのページに同じ地域名や「おすすめ物件」を並べなくて済みます。物件ページでやるべきことは、2つに絞れます。
- 所在地、交通、間取り、費用、設備、入居条件、募集状況を、見つけやすく置く
- 「ほかの部屋と何が違うか」を、写真と文章で補う
ここでいう自社ならではの情報とは、珍しい言い回しのことではありません。実際に確認した、部屋ごとの違いのことです。
ポータルサイトとの比較や、広告の配分まで一度に変える必要はありません。まずは今募集している住戸をひとつ選びます。問い合わせの前に出てくる疑問に、そのページで答えられるようにする。そこから始めるのが進めやすい順番です。
タイトルは「どの物件か」が分かるように書く
Googleは、ページの中身を具体的に表すタイトルを勧めています。同じ言葉のくり返しや、長すぎる定型文は避けるよう案内しています。
なお、検索結果に出るタイトルは自動で作られます。入力した文言が、そのまま表示されるとは限りません。
物件ページのタイトルには、建物名、住戸、駅、間取りなど、ほかと見分けるための情報を選んで入れます。会社名や宣伝文句を先頭に長く置くより、物件の違いを先に出す形を考えてみてください。
改善前の例
「おすすめ賃貸物件!駅近・人気・設備充実」
改善後の例
「青葉駅徒歩6分の賃貸1LDK|サンプルレジデンス203号室」
※駅名・建物名・条件は説明用の架空設定です。実在物件の広告ではありません。徒歩分数などは実際の表示ルールに従い、確認した値に置き換えます。
建物名で探す人が多いなら、建物名を前に出すなど、順番は検索の状況で変えて構いません。設備を全部タイトルに詰め込む必要はなく、細かい条件は本文に回します。
あわせて、ページ上の見出しとタイトルで、別の部屋や古い条件を出していないかも確かめます。
紹介文は「事実・使い方・確認点」の順に書く
設備名を並べるのではなく、決めるための説明にする
物件概要に設備が並んでいても、それで暮らし方まで伝わるとは限りません。紹介文では、次の3つを短く書きます。
- 確認した事実
- その設備をどう使えるか
- 前もって確かめておきたい点
次の例も架空です。費用欄など、広告に必要な情報をすべて含んだテンプレートではありません。
改善前
「設備充実のおすすめ物件です。収納もあり、快適に暮らせます。ぜひお問い合わせください。」
改善後
「玄関に収納があり、独立洗面台を備えた1LDKです。寝室とリビングを分けて使いたい方は、間取り図で各室の配置をご確認ください。住戸は2階で、エレベーターはありません。大きな家具の搬入を予定している場合は、階段や玄関の幅も内見時に確認できます。」
改善後の文は「快適」と決めつけていません。設備と一緒に、エレベーターがないという制約も書いています。
「収納が多い」と書くなら、収納の場所や寸法など、そう言える根拠を添えると具体的になります。逆に、測っていない寸法を推測で埋めたり、「家具は何でも入る」と話を広げたりはしないでください。
現地で確認することを、先に決めておく
紹介文を毎回ゼロから考えるのは大変です。撮影や確認のときに集める情報を決めておくと、書くのが楽になります。
- どの場所に、何の設備があるか
- 間取り図だけでは分かりにくい動線や段差はあるか
- 写真と今の状態に違いはないか
- ペット・駐車場・入居時期などの条件を、誰に、いつ確認したか
- 内見で確かめてもらった方がよいことは何か
条件の範囲を広げる言い換えは避けます。たとえば「ペット相談可」を「ペットなら何でも飼える」と書くのは行き過ぎです。頭数や種類、追加の条件があるなら、確認した範囲で説明します。
日当たりや静かさも同じです。部屋の向きだけで保証せず、いつ見たか、周りがどんな様子だったかを分けて書きましょう。
費用欄と紹介文を別の人が更新している場合は、情報の出どころをひとつにまとめます。家賃だけ変えて、本文に古い金額が残る。そんな食い違いを防ぐためです。
確認できていない情報は、魅力的に補って書かないこと。確認してから載せます。
写真と間取り図は、説明文と同じ部屋にそろえる
写真の枚数を増やす前に、次のものがその住戸の説明と合っているかを確かめます。
- 外観
- 玄関
- 居室
- 水回り
- 収納
- 間取り図
同じ建物でも、部屋ごとに仕様が違うことがあります。その場合、別の部屋の写真を今の状態の写真として扱わないことが大切です。
写真の下には、何が写っているかを書きます。「玄関収納の内部」「洗面室から浴室への入口」といった書き方です。別の部屋の写真、完成予想、家具を置いたイメージを使うときは、その区分と実際との違いが分かるようにします。使ってよいかどうかも、表示のルールに照らして確認してください。
画像の代替テキスト(alt)も、見えている内容を短く書きます。実際にその写真なら「203号室の玄関収納を開いた状態」のように書けます。「駅名 賃貸 格安 おすすめ」のような検索語の並べ方はしません。
間取り図は、スマホで拡大して読めるかを確かめます。写真をいつ撮ったかも管理しておきます。古い写真しかないときに、今も同じ状態だと決めつけないことが大事です。
画像を軽くするときも、寸法や部屋名が読めなくなるほど画質を落とさないようにします。
募集状況の更新は、文章づくりとセットにする
成約が分かったら、次の定期更新を待たない
どれだけ良い紹介文でも、もう契約できない物件が「募集中」のままでは、正しい案内になりません。
不動産公正取引協議会連合会のガイドラインは、次の2つを求めています。
- 少なくとも2週間ごとに、定期的に更新すること
- その期間の途中でも、契約済みと分かった物件はすぐに削除すること
2週間は、放っておいてよい猶予ではありません。
情報を登録した日か直前に更新した日と、次に更新する予定日も、見やすく出します。必要な事項は物件の種類で違います。賃貸の住戸なら賃貸の別表、売買なら売買の別表に沿って確認します。
出典:必要な表示事項の一覧
実際の運用では、次の3つの担当を決めます。
- 誰が募集元に確認するか
- 誰がサイトを変えるか
- 変えたあと、誰が表示を確かめるか
確かめる場所は、物件ページだけではありません。一覧、おすすめ枠、サイト内の検索結果、問い合わせフォームにも、古い募集情報が残っていないかを見ます。
掲載を終えたあとのURLは、使い道で分ける
募集広告をやめることと、そのURLをどうするかは、別々に考えます。制作の担当者には、次のどれに当たるかを伝えると相談しやすくなります。
- ページを消し、代わりのページがない:404か410を返す設定を検討する。画面には、今の物件一覧に進める案内を置く
- 同じ内容のページが別のURLに移った:古いURLから新しいURLへの301リダイレクトを検討する
- 建物の解説など、別の目的で情報を残す:募集広告が続いているように見せない。載せる目的、終了の表示、募集への導線を個別に見直す。表示で迷う点は、地区の公正取引協議会などに確認する
404・410や301の意味は、Googleの公式資料で確認できます。成約した物件のページをすべてトップページに転送する、といった一律の処理はしません。元の内容と移る先の関係を見て決めましょう。
一覧から問い合わせまで、迷わず進めるようにする
本文を整えたら、実際にスマホでたどってみます。地域や駅の一覧から物件ページを開き、問い合わせを終えるところまでです。
見るポイントは2つです。
- ボタン:「この物件について問い合わせる」のように、何の相談のボタンかがはっきりしているか
- フォーム:物件名や管理番号が引き継がれ、どの物件の相談か伝わるか
ボタンが押されたことと、問い合わせが完了したことは分けて確かめます。フォームの入力、エラーの直し、完了画面、担当者への通知までが確認の範囲です。
操作のテストでは、他社に問い合わせを送らないでください。自社で管理しているテストの方法を使います。
Nutritsも、自社サイトのフォームから届く通知を毎週分類しています。営業の売り込みなどを除いて、本当の相談だけを数えるためです。ボタンが押された回数だけを見ていると、相談が来ているかどうかは分かりません。
サイトの仕組みによっては、同じ物件が複数のURLで表示されることもあります。その場合は、代表のURLを指定する canonical の設定などを、制作の担当者と確認してください。
この設定(正規化)は、重複した内容を整理するための仕組みです。違う住戸をまとめて、一覧ページと同じものとして扱う設定ではありません。
効果は「検索・問い合わせ・内見」に分けて見る
Search Console では、ページや検索語ごとに、表示回数やクリック数を確認できます。まず見直した物件ページに絞り、どんな検索で表示されているかを見ます。
そのうえで、問い合わせの件数と、内見につながった件数を、社内で別々に記録します。検索からのクリックが増えても、募集条件が合わなければ内見にはつながりません。
掲載している物件も、募集の期間も、時期も変わります。見直す前と後の差を、すべてSEOの効果だと決めつけないでください。
これはECの商品ページでも同じです。Nutritsは小売のEC運営の実務で、楽天市場の商品ページづくりにも携わっています。そこで、昨年はよく売れていた商品が、今年は売れないという場面がありました。
まず浮かぶのは「ページが古いからだ」という考えです。でも、原因はページとは限りません。流入、価格、在庫、レビュー、季節のどれが変わったのかを分けて見ないと、ページを直しても的外れになります。物件ページの数字を読むときも、同じように切り分けてください。
最初の見直しは、次の5点に絞ると進めやすくなります。
- 今の募集状況と費用は正しいか
- タイトルで、物件と住戸を見分けられるか
- 紹介文に、確認した違いと制約が書いてあるか
- 写真・間取り図・本文が一致しているか
- スマホから、その物件の問い合わせを完了できるか
大きく書き換える前に、変えた日と場所を記録しておきましょう。更新漏れの修正と、集客のための文章の改善を分けて残しておくと、次に何を見直すかが決めやすくなります。
よくある質問
物件の紹介文は何文字あればよいですか?
決まった文字数はありません。必要な表示事項をそろえたうえで、その住戸を選ぶ理由と確認点が伝わる量にします。同じ説明を引き延ばすより、足りない設備・条件・写真の情報を埋めましょう。
ポータルサイトと同じ説明文ではいけませんか?
賃料や面積などの事実は、一致させる必要があります。文章を変えるために条件まで変えるのは逆効果です。自社ページで足すなら、確認した写真の説明や、内見で見てほしい点など、決めるのに役立つ情報を優先します。
AIに物件の紹介文を書かせてもよいですか?
確認済みの物件情報を渡して、読みやすく整える手伝いをさせる使い方はあります。ただし、設備、周りの施設、日当たり、入居条件などに推測が混じっていないかは、人が照らし合わせてください。確認していない情報を補わせないこと、お客様や入居者の個人情報を入れないことも決めておきます。
まとめ:まずひとつの物件で、情報の正しさと導線を整える
物件ページのSEOは、言葉を増やすだけでは進みません。出発点は、次の5つを一緒に整えることです。
- どの住戸か分かるタイトル
- 事実にもとづく紹介文
- 説明と合った写真
- 正しい募集状況
- 問い合わせまでの導線
まずは募集中の物件をひとつ選んでください。紹介文のあいまいな言葉を具体的な情報に置き換え、スマホで最後までたどってみる。そこからで十分です。
Nutritsの不動産業のWeb改善事例では、得意な領域を絞り、ページの書き方と導線を見直した内容を紹介しています。見直したのは、タイトル・見出し・本文・内部リンクと問い合わせ導線です。物件ページ単体の順位や反響数を示す事例ではありませんが、サイト全体の方針を考えるときの参考になります。
どこから直せばよいか迷う場合は、無料Web診断をご利用ください。公開中のサイトの見せ方、導線、SEOについて、直す順番を整理します。物件情報を増やす前に、今あるページの課題を確かめてみませんか。
物件ページの課題と、改善する順番を整理します。
FREE DIAGNOSIS
無料Web診断で、サイトの課題と改善の優先順位を整理します。
サイトの課題と改善の優先順位を整理してお届けします。無理な営業は行いません。
- 01現状の課題を可視化
- 02改善の優先順位をご提案
- 03最短3営業日でご報告










リクマ
私は、タイトルの型を決めるときに「隣の物件と区別できるか」を先に見たいです。部屋番号や間取りを消して宣伝文句だけが残るなら、識別に必要な情報から戻してみてください。