税理士事務所のホームページを作ろうとすると、「初期費用0円」「制作費数十万円」など、違いの大きい見積もりに迷うことがあります。費用を比べる前に決めたいのは、誰から、どの業務の相談を受けたいかです。

必要な掲載内容を決め、その制作費と公開後の維持費を同じ期間で比較する。 この順番なら、安く契約したものの原稿作成が進まない、必要なページが追加料金になる、といった行き違いを減らせます。

この記事では、確認できた公開料金の実例と、相談前の不安を解消する7つの掲載内容を整理します。ここでいう「必須」は、相談者の判断を助ける実務上の優先項目であり、すべてが法律上の掲載義務という意味ではありません。

税理士ホームページの料金は、初期費用と月額費用で見る

公開料金の実例を、制作範囲とセットで確認する

2026年9月17日に確認した料金例です。業界全体の平均相場ではなく、提供範囲の異なるプランを比較するための参考として見てください。金額は税込にそろえ、税別表示のサービスは消費税10%で換算しています。

表は横にスクロールして読めます。

サービス・プラン 初期・制作費 月額費用 費用を見る際の前提
税理士繁盛・エントリー 0円 5,280円 1ページの簡易サイト。キャンペーン価格。独自ドメイン・メールは別料金の案内あり
あきばれ税理士パック・標準 65,780円 6,490円 原稿・画像を事務所で準備する部分あり。申込時に月額4か月分を前払い
光速ホームページ制作・ライト 220,000円 保守を選ぶ場合11,000円 5ページ。税理士専用プランではない。保守は任意、ドメインは実費

出典:税理士繁盛の料金プランあきばれ税理士パックの標準プラン光速ホームページ制作の料金

この3例だけでも、「1ページを持つ」「事務所で素材を用意する」「複数ページを制作してもらう」という条件が違います。金額の順に優劣をつけず、自所が必要とする内容と、準備に使える時間を当てはめましょう。

3年間の基本費用に直すと比較しやすい

基本の計算式は、初期費用+月額費用×利用月数+追加費用です。

前の表の価格が36か月変わらないと仮定すると、初期費用と月額費用の合計は次のとおりです。

  • 税理士繁盛・エントリー:0円+5,280円×36か月=190,080円
  • あきばれ・標準:65,780円+6,490円×36か月=299,420円
  • 光速・ライトで任意保守を利用:220,000円+11,000円×36か月=616,000円

いずれも追加作業などを除いた試算で、契約時の総額や将来の価格を保証するものではありません。とくにキャンペーンの適用期間は契約前に確かめます。税理士繁盛の独自ドメイン管理を依頼する場合は、掲載価格ではさらに月550円がかかります。あきばれの前払い4か月分は上の36か月に含め、重ねて足しません。

月額費用には、サーバー利用だけを含むものと、更新作業まで含むものがあります。「修正を年に何回頼むか」「原稿を誰が書くか」も見積条件に入れてください。業種を問わない予算の考え方は、ホームページ制作の費用相場と料金早見表で整理しています。

信頼される税理士事務所サイトに必要な7つの内容

1.対応業務と、相談を受けられる相手

「税務全般に対応」だけでは、相談者は自分が対象か判断しにくくなります。法人顧問、個人事業主の確定申告、相続税、創業支援など、実際に受け付ける業務を分けましょう。

そのうえで、対応地域、オンライン面談の可否、得意な業種、利用できる会計ソフトを記載します。単発の決算申告を受けるのか、継続顧問のみなのかも大切です。経験が確認できない業務まで「得意」と広げず、実態に合う範囲を具体的に示します。

2.税理士紹介と、実際の相談体制

資格者の氏名、所属税理士会、経歴、対応分野、事務所の方針を整理します。資格や所属の表記は登録情報と照合し、写真には実際の担当者や事務所のものを使います。

代表の紹介に加えて、面談を担当する人、日常の連絡窓口、担当交代時の引き継ぎ方も説明できると、契約後の関係を想像しやすくなります。「親身に対応します」という言葉を、相談方法や面談頻度などの具体的な情報で支える考え方です。

3.税理士報酬と、追加費用が発生する条件

ここからはホームページの制作費ではなく、事務所が顧客に請求する税理士報酬の話です。月額顧問料だけを大きく見せると、決算料や記帳代行料を含むと誤解されるおそれがあります。

法人・個人、顧問・単発などの区分を設け、基本料金に含む業務と別料金の業務を分けます。報酬が変わる条件として、売上規模、記帳の分担、取引量、面談回数など、自所が実際に使っている基準を説明してください。

一律の料金を出せない場合も、「個別見積もり」の理由と、見積もりに必要な情報は示せます。 初回相談の有料・無料、時間や対象の制限も同じ場所に置きましょう。金額例を載せるなら、適用条件と税込・税別の区分を添えます。

リクマ

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料金ページでは、最低価格を目立たせるより「どこまで含むか」を先に整えるのがおすすめです。相談者が自分の条件を当てはめられると、問い合わせ後の話も進めやすくなります。

4.相談から契約までの流れ

問い合わせ、事務所からの返信、初回面談、見積もり、契約という流れを、自所の運用に合わせて説明します。返信までの目安は、実際に守れる範囲だけを書きます。

初回フォームは、氏名、連絡先、相談したい業務、相談概要など、受付に必要な項目に絞るのが基本です。申告書やマイナンバーなどの重要資料は初回フォームで送らせず、必要になった段階で専用の受け渡し方法を案内する設計が考えられます。

5.対応内容が伝わる事例・お客様の声

事例を載せる場合は、相談前の課題、担当した業務、支援の進め方を中心にまとめます。掲載許可があっても、業種・地域・規模・時期の組み合わせで顧客が特定されないか確認してください。

節税額や売上増などの数字を使うなら、根拠と対象条件が欠かせません。どの顧客にも同じ結果が出るような見せ方は避けます。実例の公開が難しければ、受付方針や確認手順を充実させればよく、架空の体験談や推薦文で穴を埋める必要はありません。

6.所在地・アクセス・連絡方法

事務所名、所在地、営業時間、休業日、電話番号、予約の要否をそろえます。来所相談を受ける場合は、最寄り駅からの経路や入口が分かる写真も役立ちます。

スマートフォンで電話をかけられるか、フォームが無理なく入力できるかも確認しましょう。連絡先の掲載だけで終わらず、実際に相談へ進める状態にすることが大切です。

7.個人情報の利用目的と取り扱い

フォームの近くに、入力情報を何に使うか、どこで取り扱い方針を確認できるかを示します。個人情報保護委員会は、Web入力画面などで本人から直接個人情報を取得する場合、原則として利用目的の明示が必要と案内しています。取得状況から目的が明らかな場合には例外があります。個人情報保護委員会のFAQ

プライバシーポリシーのページを用意するだけでなく、フォームから読める位置にリンクを設けます。受信先の担当者、閲覧権限、不要になった情報の扱いも、公開前に事務所内で決めておきましょう。

ページ構成は「自分に合うか→費用→相談」の順に考える

7つの内容を、必ず7ページに分ける必要はありません。小規模事務所なら、たとえば次の6ページを出発点にできます。これは構成例で、制作会社のページ数の数え方や、自所の業務量に合わせて調整します。

  1. トップ:誰のどの相談に対応する事務所か、主要業務への入口を示す
  2. 業務案内:対象者・対応範囲・進め方を説明する
  3. 料金:報酬の条件、含む業務、追加費用を示す
  4. 事務所・税理士紹介:担当者、方針、所在地、アクセスをまとめる
  5. 相談案内・フォーム:相談の流れ、FAQ、連絡方法をまとめる
  6. プライバシーポリシー:入力情報の利用目的などを案内する

掲載できる事例は業務案内に添え、情報量が増えたら独立ページにします。相続と法人顧問のように相談者の事情が異なる業務は、説明が長くなる段階でページを分けると整理しやすくなります。

トップページには、対応業務、事務所の特徴、担当者、料金ページへの入口、相談方法を配置します。業務ページを読み終えた人が料金を確認でき、料金ページから相談へ進めるよう、それぞれのページにもリンクを置いてください。

リクマ

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ページ数の多さより、相談したい人が迷わず必要な情報に届くことを大切にしたいです。まず一つの相談内容を想定して、トップからフォームまで順に読んでみてください。

見積書で確認したい制作・運用の条件

発注前には、同じ掲載内容を伝えて見積もりを依頼します。「5ページのサイト」という指定だけでは、原稿作成や公開後の対応に違いが残ります。

  • 原稿と写真:聞き取り、文章作成、写真撮影の担当者と納品範囲はどこまでか
  • 料金表とフォーム:報酬条件の掲載、相談業務の選択、確認メールなどを含むか
  • 修正:何回・どの範囲まで料金に含み、追加変更をどう見積もるか
  • 更新方法:事務所で直せる箇所と、制作会社への依頼が必要な箇所はどこか
  • 保守:バックアップ、システム更新、障害時の対応、文章修正をそれぞれ含むか
  • 契約と引き継ぎ:最低利用期間、解約費用、ドメイン管理、データの持ち出し条件はどうなるか

費用を抑えるなら、原稿・写真を事務所で用意する、最初の対応業務を絞る、といった調整ができます。ただし、原稿の準備に使う所内の時間も必要です。税務に関する記載は、制作会社に文章を任せる場合でも事務所側で最終確認する工程を残しましょう。

リクマ

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私なら、料金を下げる前に担当分担を一枚にまとめます。「文章は誰が書き、誰が確認し、誰が直すか」がそろっていると、安さと準備の負担を一緒に判断できます。

広告表現と更新の担当まで決めておく

税理士事務所のサイトでは、専門性を伝える表現にも確認が必要です。関東信越税理士会は、虚偽、報酬等についての曖昧・不正確な表現、比較広告などの制限事項を案内しています。関東信越税理士会の広告に関するFAQ

「必ず節税できる」「地域で一番」といった断定で安心感を作ろうとせず、対応する業務、相談手順、確認できる経歴を説明しましょう。個別の表現の適否は、所属税理士会の現行ルールを確認して判断します。

公開後は、料金変更、担当者変更、受付業務の変更があった時に更新する担当を決めます。税制解説を書くなら、対象年度と出典を示し、古くなった記事を見直す手順も用意してください。更新する人が決まらない段階で記事量産まで発注するより、まず基本案内を正確に保てる体制を作るほうが無理なく続けられます。

よくある質問

税理士事務所のホームページは、いくらで作れますか?

本記事で確認した例には、初期0円・月額5,280円の1ページ型から、制作費220,000円の5ページ型まであります。平均相場ではなく、条件の違う実例です。ページ数、原稿準備、保守、契約期間をそろえて比較してください。

顧問料を一律に載せられない場合はどうしますか?

金額が変わる基準、料金に含む業務、別料金の業務、見積もりに必要な情報を示します。料金例を掲載できる場合は、対象条件と税込・税別を明記します。

1ページのホームページでも始められますか?

対応業務が絞られ、事務所紹介・報酬条件・連絡方法を読みやすく載せられるなら選択肢になります。異なる相談内容を詳しく説明したい場合は、業務別ページの追加を検討します。

ブログは開設時から必要ですか?

必ずしも必要ではありません。まず業務案内、料金、担当者、相談方法を整えます。税制記事を確認・更新できる担当と時間を確保してから、発信を広げましょう。

依頼前に「受けたい相談・掲載内容・担当分担」をまとめよう

税理士ホームページの費用を決める出発点は、デザインの好みだけではありません。受けたい相談を決め、その相談者が判断できる業務・料金・担当者・相談方法を整え、制作と運用の分担を見積もりに反映します。

まずは「増やしたい相談」「今のサイトに足りない情報」「所内で準備できる素材」の3点をメモにしてみてください。新規制作でもリニューアルでも、依頼内容を具体化しやすくなります。

情報の整理や相談への案内を考える参考として、建築業・専門サービス業の問い合わせ導線改善事例もご覧ください。税理士事務所の制作実績ではなく、関連分野での情報設計を紹介した事例です。

Nutritsへの依頼を検討している方は、ホームページ制作サービスをご確認のうえ、必要なページと予算をお問い合わせフォームからご相談ください。

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