会議のあとに録音を聞き直し、発言を要約し、担当者と期限を転記する――この作業に時間を取られている小さな会社は少なくありません。対応環境であれば、ChatGPT Recordを使って録音、文字起こし、要約までを進め、議事録のたたき台を作れます。

ただし、自動でできるのは確定版ではなく初稿です。録音前の説明と必要な同意、会議中の決定事項の言い直し、生成後の原音・一次資料との照合までを一つの流れにして、はじめて安全な時短につながります。この記事では、2026年8月13日時点の対応条件、録音から確認までの9手順、使える整形プロンプトを紹介します。

ChatGPTで議事録はどこまで自動作成できる?

Recordでできるのは「録音・文字起こし・要約・整形」

ChatGPT Recordは、会議やボイスメモなどの音声を文字起こしし、要約を生成する機能です。Recordを開始するとライブ文字起こしが行われ、停止後にSendを選ぶと、文字起こしと生成ノートがChatGPT上に保存されます。ノートは、開始方法によってCanvasとして、または録音に付随するノートとして表示される場合があります。

複数の話者を区別できる場合もありますが、名前を特定できないときは「Speaker 1」のような一般ラベルになります。生成後に名称を直せても、誰の発言かは原音や参加者情報で照合してください。

自動で作るのはたたき台。確定版は人が確認する

文字起こしや要約には誤りが含まれることがあります。特に、提案を決定事項として扱う、発言者を取り違える、担当者や期限を補ってしまう、といったずれは業務に影響します。

そのため、AIの出力は「議事録の初稿」と位置づけます。決定事項、担当者、期限、数字、日付、固有名詞、保留事項を原音や会議中の記録と照らし合わせ、人が確定させる前提で使いましょう。

対応プラン・端末・上限を確認する

以下は、2026年8月13日にOpenAI公式ヘルプで確認したRecordの主な条件です。機能の対象や画面表示は変わる可能性があるため、実際に使う前にも公式ヘルプを確認してください。

確認項目 2026年8月13日時点の内容
対象ワークスペース/プラン Plus、Pro、Business、Enterprise、Edu
対応環境 macOSデスクトップアプリのみ
1セッションの上限 現在4時間(240分)まで。上限・料金は変更され得る
管理者設定 Business、Enterprise、Eduはワークスペース所有者が切り替え可能。EnterpriseとEduは既定で無効
英語以外の音声 英語で最もよく機能すると案内されており、ほかの言語の精度は変動し得る
人の確認 重要情報は文字起こし・要約を問わず確認が必要

無料プランの標準Record機能としては案内しません。また、Windows、スマホ、Web版で同じRecordが使えるとも書けません。対象プランでも、管理者設定やMacの権限が原因で表示されないことがあります。

録音前に確認すること|同意・会議の種類・データの扱い

まず「録音してよい会議か」を分ける

録音の可否は、ツールを使えるかではなく、会議の参加者・内容・契約・社内ルールから判断します。通常の社内進捗会議でも、社内ルールと参加者への説明が整っていることが前提です。

  • 通常の社内会議: 社内ルールと参加者への説明・必要な同意が整っているかを確認します。
  • 取引先や顧客、採用候補者など外部の人が参加する会議: 契約や相手方の意向、共有範囲を追加で確認します。
  • 人事評価、医療・健康、法務、未公開の重要情報、認証情報などを含み得る会議: 個人判断で録音・投入せず、社内の責任者、情報セキュリティ、法務などへ先に確認します。

これは法的な分類を断定するものではありません。特定の個人を識別できる音声は個人情報に該当し得ますし、会議ごとの契約や業界ルールも関わります。迷う会議は、録音を始める前に扱いを決めましょう。

参加者へ4点を説明し、必要な同意を得る

録音前には、少なくとも次の4点を参加者へ説明します。

  • この会議を録音することを伝えたか。
  • 目的が議事録作成であることを伝えたか。
  • ChatGPTで文字起こし・要約することを伝えたか。
  • 保存先、共有範囲、生成後にどう確認するかを伝えたか。

案内は、たとえば次のように短くできます。

議事録を作るため、この会議を録音し、ChatGPTで文字起こしと要約を行います。生成後は参加者で内容を確認し、関係者の範囲で共有します。録音してもよいでしょうか。

この文面は一般的な実務例であり、法律上の十分性を保証するものではありません。自社の規程、契約、業界ルール、会議の参加者に合わせて調整してください。

会議の機密性や契約、社内ルール、参加者への説明から録音可否を確認する流れ
リクマ

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ツールの設定より先に、「この会議を録音してよいか」を決めることが大切です。迷う会議は、個人判断で進めず、社内の責任者へ確認するところから始めましょう。

音声と文字起こしは、残り方を分けて確認する

Recordの音声ファイルは文字起こしのために使われ、その後に自動削除されるとOpenAIは案内しています。音声そのものはモデル訓練には使われません。一方で、生成された文字起こしとCanvas/ノートは、通常の会話やCanvasと同じ保持設定に従います。会話を削除すると、法的な保持義務がない限り通常30日以内にシステムから削除される案内です。

個人向けワークスペースでは、「Improve the model for everyone」が有効な場合、Record由来の文字起こしやCanvasがモデル改善に使われる場合があります。必要に応じて、SettingsのData Controlsから設定を確認してください。Business、Enterprise、Eduのデータは、文字起こしとCanvasを含め、既定でモデル訓練から除外されます。

ただし、学習から除外されることと、機密性の高い会議を録音・外部サービスへ投入してよいことは別です。社内規程、契約、参加者への説明、保存・共有のルールを先に確認しましょう。また、「Reference record history」が有効だと、過去の録音から作られたノートや文字起こしが新しい会話で参照される場合があります。必要性に応じてPersonalizationの設定も見直します。

Recordの音声は文字起こし後に削除され、文字起こしとノートは会話の保持設定に従うデータの流れ

ChatGPT Recordで議事録を作る9つの手順

ここからは、会議前・会議中・会議後の順に進めます。録音操作だけを切り出さず、同意、決定の明示、最終確認までを一つの業務フローとして使ってください。

会議前:会議を分類し、同意とMacの設定を確認する(手順1〜3)

  1. 会議の種類と扱う情報を確認する。 外部参加者、高い機密性、個人情報が含まれ得るかを確認し、必要なら責任者へ相談します。
  2. 録音・AI処理・保存・共有を説明し、必要な同意を得る。 前節の4点を伝え、参加者の反応を確認してから始めます。
  3. 対応環境とMacの権限を確認する。 対象ワークスペース、最新版のChatGPT macOSアプリ、マイク、画面・システムオーディオ録音の権限を確認します。個人向けワークスペースで扱う内容なら、データ設定も先に見直します。

会議中:Recordを開始し、決定・担当・期限を言い直す(手順4〜5)

  1. Recordを開始する。 会議名、日付、目的を冒頭で言葉にすると、後の整理がしやすくなります。会議の途中で一時停止・再開もできます。
  2. 決定・担当・期限・保留を言い直す。 合意した直後に「決定事項は何か」「誰が担当するか」「いつまでか」「まだ保留か」を参加者で確認します。同時発言を減らし、固有名詞は明瞭に発言することも精度確認に役立ちます。
リクマ

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私は、要約プロンプトを工夫する前に、会議中に決定・担当・期限を言い直す運用を優先します。AIに後から推測させないほうが、確認するポイントを絞りやすいからです。

会議後:Sendし、話者・数字・固有名詞を直す(手順6〜7)

  1. Stopの後、生成へ進むならSendを選ぶ。 録音を続ける場合はResumeを選びます。Send後に文字起こしと生成ノートを開きます。
  2. 生成物を一次情報と照合する。 Speakerラベル、人物名・社名・商品名、数字、日付、期限を原音や会議中の資料と照合します。聞き取れない箇所は推測で埋めず、確認が必要な箇所として残します。

会議前の同意確認、会議中の決定明示、会議後の要約と人の確認からなる9手順

議事録フォーマットへ整える(手順8)

照合前の文字起こしを、そのまま共有用の文章にしないことが大切です。次のプロンプトで、発言・提案・決定を分けた議事録の形に整えます。

この文字起こしを、次の形式で議事録に整えてください。

順序:
1. 会議の目的
2. 決定事項
3. アクションアイテム(担当者・期限・完了条件)
4. 保留事項
5. 主な議論
6. 次回までの確認事項

ルール:
- 文字起こしにない事実は追加しない
- 発言と提案と決定を分ける
- 担当者や期限が不明な場合は「要確認」とする
- 数字、固有名詞、日付は原文を優先する
- 決定事項に根拠となった発言があれば短く付ける

このプロンプトは、AIに不明点を勝手に補わせないための枠組みです。「要確認」は共有前に人が埋めるべき箇所を示すために使い、未確認のまま確定版にしないでください。

人が確定し、正本と共有先を決める(手順9)

最終確認後の議事録を正本にする。 決定事項、担当者、期限、金額、日付、固有名詞、保留事項、不要な個人情報や機密情報を確認します。そのうえで、ChatGPT上のノート、社内ストレージ、タスク管理ツールなどから正本を一つ決め、更新場所を分散させないようにします。

共有先は関係者に限定し、閲覧権限、保持期間、削除方法も決めます。どの場所が正本なのかが曖昧なまま複数の版を更新すると、AIの要約が正しくても運用上の混乱が残ります。

議事録の精度を上げるコツと最終チェック

録音前・会議中にできること

精度は会議後のプロンプトだけでは決まりません。一人ずつ話して同時発言を減らし、会議の冒頭で目的と参加者を確認し、終了前に決定・担当・期限・保留を読み上げます。対面会議では端末を参加者の中央寄りに置いて雑音を減らし、オンライン会議ではマイクとシステムオーディオの権限を確認します。

文字起こしの品質が気になるときは、OpenAIが案内するようにヘッドセットの利用や背景ノイズの低減も検討してください。固有名詞の一覧を別途持ち、後で照合できる状態にしておくのも実務的です。

共有前に必ず確認する7つの質問

  1. 決定事項は、本当に参加者が合意した内容か。
  2. 提案や一人の発言を、決定と誤記していないか。
  3. 担当者、期限、完了条件は原音・一次資料と一致するか。
  4. 金額、日付、数字、固有名詞は正しいか。
  5. 保留事項が決定事項へ混ざっていないか。
  6. 不要な個人情報・機密情報が残っていないか。
  7. 正本、共有先、閲覧権限、保持・削除の扱いは決まっているか。
リクマ

リクマ

時短しても、決定事項・担当者・期限の照合は削らない。この3点が違うと、読みやすい議事録でも仕事は前に進みません。まず行動に直結する項目から確認するのがおすすめです。

よくある失敗

  • 無断で録音を始める。 録音の事実、目的、AI処理、共有範囲を先に説明し、必要な同意を得ます。
  • 社内規程や契約を確認せず、機密性の高い会議を録音する。 迷う会議は個人判断で進めず、責任者に確認します。
  • AI要約を確認せず共有する。 決定、担当、期限、数字、保留を原音・一次資料と照合します。
  • 「言った」を「決まった」に変えてしまう。 プロンプトでも会議中の言い直しでも、発言・提案・決定を分けます。
  • 担当・期限がない読み物型の議事録で終える。 アクションアイテムに担当者、期限、完了条件を入れます。
  • 生成物の保存先と共有範囲を決めない。 正本を一つに決め、閲覧権限と保持・削除の扱いをそろえます。

Recordボタンがない場合の確認と代替手順

Recordが表示されないときの確認順

2026年8月13日時点の公式案内に沿って、次の順で確認します。

  1. ChatGPT macOSアプリを最新版にします。
  2. Plus、Pro、Business、Enterprise、Eduの対象ワークスペース/プランでログインしているか確認します。
  3. Business、Enterprise、Eduでは、ワークスペース所有者によるRecordの設定を確認します。EnterpriseとEduでは既定で無効です。
  4. Macの「プライバシーとセキュリティ」で、ChatGPTのマイクと画面・システムオーディオ録音の権限を確認します。

画面の名称や配置は変わり得るため、最新のChatGPT Record公式ヘルプもあわせて見てください。

Windows・スマホ・Web版では文字起こし後のテキストを整形する

Recordの対象外環境では、会社で許可された録音・文字起こし手段で先にテキストを作り、この記事の手順8のプロンプトで議事録形式に整えます。録音可否、データの扱い、共有前の確認は、どの文字起こし手段でも省略しません。

現行の公式根拠なしに、「ChatGPTのWeb画面へ音声ファイルを直接アップロードすれば同じ処理ができる」とは案内しません。ツール比較が必要な場合は、公開後にAI文字起こしツールの比較記事を確認する導線を追加する想定です。

ChatGPTの議事録作成に関するよくある質問

ChatGPTは無料で議事録を作れますか?

2026年8月13日時点で、録音から文字起こし・要約までを行うChatGPT RecordはPlus、Pro、Business、Enterprise、Eduが対象です。無料プランの標準Record機能としては案内しません。対象プランは変わり得るため、使う前に公式ヘルプを確認してください。

WindowsやスマホでもChatGPT Recordを使えますか?

2026年8月13日時点では、ChatGPT RecordはmacOSデスクトップアプリのみです。非対応環境では、会社で許可された方法で文字起こしを作り、そのテキストをChatGPTで議事録形式に整えます。

録音データは残りますか?

Recordの音声ファイルは文字起こし後に自動削除されます。一方、文字起こしとCanvas/ノートは通常の保持設定に従い、会話を削除した場合は法的な保持義務がない限り通常30日以内にシステムから削除される案内です。

日本語の会議でも使えますか?

英語以外の音声にも対応していますが、OpenAIは英語で最もよく機能すると案内しています。日本語の会議では、固有名詞、数字、日付、担当者、期限を原音や一次資料と照合してください。

AIが作った議事録はどこを確認すべきですか?

決定事項、担当者、期限、数字、日付、固有名詞、保留事項、個人情報・機密情報を確認します。詳しくは共有前に必ず確認する7つの質問を使ってください。

まとめ|録音・要約・人の確認を一つの運用にする

ChatGPTで議事録を自動作成するときのポイントは、次の3つです。

  1. 対応環境なら、Recordで録音・文字起こし・要約までを短縮できます。
  2. 録音前に、会議の適否、参加者への説明と必要な同意、データの扱いを確認します。
  3. 決定事項、担当者、期限は、人が原音・一次資料と照合して確定します。

まずは、社内ルールに沿って扱える通常の社内会議から小さく試し、迷った点だけを自社の運用ルールへ追記していくのが現実的です。録音ボタンだけに頼らず、会議前・会議中・会議後の流れを整えると、議事録を速く作りながら誤った決定や担当を共有するリスクを抑えやすくなります。

AI活用を無理なく業務へ取り入れたい方へ

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出典・参考情報

  1. OpenAI Help Center: ChatGPT Record(2026年8月13日確認)
  2. OpenAI Help Center: What if I want to keep my history on but disable model training?(2026年8月13日確認)
  3. OpenAI: Business data privacy, security, and compliance(2026年8月13日確認)
  4. OpenAI Help Center: Does ChatGPT tell the truth?(2026年8月13日確認)
  5. 個人情報保護委員会: 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(2026年8月13日確認)
  6. 個人情報保護委員会: 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について(2026年8月13日確認)