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ARTICLEAI活用・業務効率化小さな会社のWeb戦略室

画像生成AIの業務利用ガイド|商用利用の注意点と活用例

画像生成AIを販促や社内資料に使う前に、商用利用の規約、著作権、人物・商品の画像の注意点をまとめました。主な3サービスで確かめる点、業務での活用例5つ、公開までの5つの手順とプロンプト例も紹介します。

中山Nutrits 代表

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2026.10.18
画像生成AIの業務利用ガイド|商用利用の注意点と活用例 のアイキャッチ画像

チラシの背景、SNS投稿の1枚、ブログの説明イラスト。「画像生成AIで作れば早いのでは」と考える場面は、増えていると思います。

結論です。画像生成AIは、販促物に使える場合があります。ただし「使える」と言い切るには、種類の違う3つの確認が必要です。

  1. 使っているサービスの規約で、その用途が許されているか
  2. できた画像が第三者の権利を侵していないか
  3. その画像が実物と違う印象を与えていないか

この3つは、つながっていません。規約上はOKでも、権利の侵害になることがあります。権利に問題がなくても、表示として問題になることもあります。だからこそ、まとめて「大丈夫そう」と判断せず、1つずつ分けて見るのが安全です。

最初の一歩には、実物を証明しない背景やイメージのイラストを1枚だけ作ってみるのがおすすめです。商品写真の代わりや、施術の効果を示す画像から始めると、いきなり難しい判断を迫られます。


商用利用の許可と、著作権は別に考える

① 契約の問題:サービスの規約で許されているか

これは「そのサービスを、その用途で使ってよいか」という、あなたとサービス提供者との約束の話です。プランや売上の規模で、条件が変わることもあります。

② 他者の権利の問題:誰かの権利を侵していないか

生成した画像が既存の作品とよく似ていると、著作権の侵害になる可能性があります。文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月)は、生成・利用の段階での侵害を、こう整理しています。既存の作品との類似性や依拠性(元の作品をもとにしたか)などから、個別に判断されるというものです。

出典:文化庁「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月)

大事なのは、AIを使ったという理由だけで、責任を免れるわけではないことです。生成の経緯も含めて判断されるため、出力を人が確かめる工程が必要です。

③ 自分の権利の問題:その画像の著作権は自分のものか

「商用利用できる」と「自分に著作権がある」は別の話です。同じ文化庁の資料では、生成物が著作物と認められるかは、人間の創作の意図と、創作的な関わりが論点になるとされています。

プロンプトを入れただけで確実に権利が生まれるとも、AI画像はすべて著作権がないとも言えません。これは行政による解釈の整理で、個別の事案の結論を保証するものでもありません。

実務では、「他社にまねされたら困る」ロゴやキャラクターは、この不確かさを抱えたまま進めないのが現実的です。

なお、無料か有料かだけでは判断できません。無料プランは商用利用の条件を読みます。有料プランでも、会社の規模や用途に制限がないかを確かめます。


規約で確認する5つのポイント

サービスを選ぶとき、規約のどこを見ればよいかを整理します。

  1. 入力する素材の権利:他社のロゴや他人の写真を入力していないか。たとえばOpenAIの利用規約は、入力に必要な権利や許可を、利用者が用意するよう定めています。
  2. プランと売上の規模:会社の規模によって、必要なプランが変わる場合があります。
  3. 用途:社内資料だけか、公開する販促物か、お客様への納品物か。
  4. 公開・学習の設定:生成した画像がほかの利用者から見えるか、入力した内容が学習に使われるか。
  5. ベータ機能・外部モデル・補償:同じサービスの中でも、機能ごとに条件が違うことがあります。

主な3つのサービスの案内を、要点だけ並べます。以下は、2026年9月4日に公式情報で確かめた内容です。使うときは、契約するプラン・機能に当てはまる最新の規約を読み直してください。

表は横にスクロールして確認できます。
サービス 商用利用に関する案内 実務で気をつける点
OpenAI(利用規約) 適用法が許す範囲で、当事者間では出力の権利は利用者に帰属すると案内 入力に必要な権利は利用者が確保。出力は非独占で、他の人と似たものが出る場合がある。人が作ったものと偽ることは禁止。法人向けやAPIは別規約
Adobe Firefly(FAQ) 正式機能の生成物は商用案件に利用可能と案内。ベータも製品内で別の明示がなければ商用利用可 個々の機能や外部モデルに適用される規約・補償の対象範囲は別途確認が必要
Midjourney(商用利用 / 利用規約) 自分が生成した画像の商用利用を案内。年間総売上100万米ドル超の企業が会社用に使う場合はPro/Megaが必要 既定では生成画像が公開・リミックス可能。StealthはPro/Mega。共有チャット内ではStealthでも参加者に見える。他人の画像のアップスケールは元の人の画像

もう1点、入力したデータの扱いです。OpenAIのEnterprise Privacyでは、Business・Enterprise・APIなどの業務データを、初めから学習に使わないと説明されています。

ただし、個人向けの有料プランに、同じ条件が自動で当てはまるわけではありません。そこは分けて確かめてください。また、「学習に使わない」と「保存されない・共有されない」も別の話です。

出典:OpenAI「Enterprise Privacy」

リクマ

リクマ

私は、試す段階では会社で使うサービスと用途を1つずつ決めるのを勧めます。条件を確認する対象が絞れますし、担当者が替わっても同じ判断基準を渡せるからです。


商用利用で気をつけたい4つのこと

既存の作品に似てしまう

特定の作品を再現する指示や、他人の画像をもとにそっくりな画像を作る使い方は避けましょう。作風が似ているだけで侵害が決まるわけではありません。問題になるのは、既存の作品の創作的な表現との関係です。

文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024年7月)は、次のように説明しています。

  • 既存の作品や作品名を入力すると、依拠性が推認される場合がある
  • 使う前に、似たものがないか確かめる
  • プロンプトなど、生成の過程を記録しておく

出典:文化庁「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(2024年7月)

ただし、画像検索で似たものが見つからなくても、安全の保証にはなりません。「調べた」ことと「問題ない」ことは違います。

人物や商標が写り込む

実在の有名人に似た顔、既存ブランドのロゴのようなマーク、特徴のある商品の形。これらが出てきたら、その画像は使わず、作り直すのが無難です。

人物なら肖像・プライバシー、ブランドなら商標など、著作権以外の権利にも配慮が必要です。こうした論点は、政府の「AI時代の知的財産権検討会 中間とりまとめ」でも整理されています。初心者は「人物・文字・ロゴを入れない」と指示し、出力で守られているかも確かめましょう。確認する対象を絞れます。

出典:「AI時代の知的財産権検討会 中間とりまとめ」

実物と思い違いさせる

ここは意外と見落とされます。消費者庁の優良誤認表示の解説では、実際のものよりとても良いと思わせる表示が禁止されています。

出典:消費者庁「優良誤認表示」

たとえば、AI画像で次のように見せる使い方は、実務上のリスクになります。

  • 料理の盛りを、実際より多く見せる
  • 商品の性能を、実物以上に見せる
  • 施術の結果を、それらしく描く

「イメージです」と小さく添えれば何でも許される、というものでもありません。実物を証明する役割の画像はAIに任せない、と決めておくのが実務的です。

お客様の素材や個人情報を入力する

個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用について注意を呼びかけています。入力する情報の利用目的や、学習への利用、規約を確かめるよう求めています。

出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起」

お客様の顔写真、未公開の資料、取引先から預かったデータ。これらは、社内の承認と、本人・取引先の許諾や契約の条件を確かめてから扱ってください。試すだけなら、架空の素材で十分です。

リクマ

リクマ

最初の社内ルールでは、実物の証明、実在人物、ブランドロゴ、未公開の顧客素材は通常の生成対象から外すのを勧めます。必要になったときだけ、責任者が許諾や契約を確認する運用なら迷いを減らせます。


業務での活用例5つ

以下は用途の例で、実際の導入の実績や効果を示すものではありません。自社の事情に合わせて読み替えてください。

表は横にスクロールして確認できます。
用途 AIに任せる部分 人が確認・仕上げる部分
SNS投稿の背景 季節感のある抽象背景や余白のある下地 投稿の意図、文字の読みやすさ、ブランドとの整合
ブログの説明イラスト 概念を表すイラストや図の下絵 事実、数値、矢印の関係、ラベルの正確さ
販促バナー 実写の商品写真と組み合わせる背景 商品本体の形・色・付属品が変わっていないか
提案資料のイメージ案 方向性を比較するための架空の案 実績や完成保証に見えない説明、顧客との使用合意
社内研修の概念図 架空の場面や説明用の図の下絵 手順との一致、社内情報の混入、素材の利用条件

共通しているのは、実物の性能や結果を証明しない部分をAIに任せることです。社内向けの資料でも、権利の確認は必要です。商品写真に背景を合成する場合も、商品そのものが生成の処理で変わっていないか、元の写真と見比べてください。

Nutritsの例:うまくいかず、手順を変えた2つの場面

Nutritsも2026年5月に、画像生成AIを自社の仕事で試しました。うまくいかなかったことも含めて、2つの例を紹介します。

1つは、記事のアイキャッチ(記事の見出し画像)です。AIで自動生成しようとしましたが、うまくいきませんでした。そのため、生成の手順を準備し直しています。

もう1つは、自社サイトを作るときです。画像生成AIで作った見本から、Codex(コードを書くAI)で一気にサイトを作らせる流れを試しました。これも、うまくいきませんでした。

そこで、1セクションずつ作る方法に変えました。スクリーンショットと見本の差を確かめて、直していきます。この方法で、見本どおりに仕上がりました。


作成から公開までの5つの手順

手順1:用途を決める

まず「何に使うか」を決めます。SNSの背景なのか、チラシなのか、お客様への納品物なのか。用途によって、確かめる規約の項目が変わります。

手順2:素材と規約を確かめる

生成の前に、次の点を済ませます。

  • 入力する素材は自社のものか、権利を確かめたか
  • 使うプランで、その用途が許されているか
  • 公開の設定はどうなっているか

手順3:生成する

架空の背景を頼むプロンプトの例です。

季節のお知らせ用SNSバナーの背景を作成。
ベージュとグリーンの幾何学模様に、柔らかな光を組み合わせる。
実在の店舗・人物・商品は描かない。文字・ロゴは入れない。
横長16:9。中央に見出しを後から置ける余白を残す。

用途・色・構図・余白・入れない要素を、具体的に伝えます。特定の作家名やブランド名は入れません。生成したあとに見出しや開催日を載せ、小さく表示しても読めるか確かめます。

手順4:人が確かめ、文字を編集する

生成物をそのまま出さず、人の目で確かめます。ここで止める条件を決めておきます。

  • 実在の人物や、既存のキャラクターに似ている
  • ブランドのロゴのようなものが写っている
  • 実物の性能や効果を証明する図に見える
  • 手や文字が崩れている

当てはまったら、公開を止めます。人物・作品との類似や権利に疑問があれば、素材を替えるか、使うのをやめます。文字や形の誤りは、直してもう一度確かめます。

価格・日付・商品名など、間違えられない文字は、デザインツールで別に載せましょう。校正や差し替えがしやすくなります。

手順5:承認して記録する

責任者が承認し、次の内容を記録に残します。あとで「これはどう作ったのか」と聞かれたときに、答えられるようにするためです。

  • 使ったサービス・モデル・プラン
  • 規約を確かめた日
  • プロンプト、入力した素材の許諾
  • 生成した日、編集の履歴
  • 確かめた人、載せた場所

文化庁のチェックリストでも、生成の過程の記録が挙げられていました。

この流れを文章づくりまで含めて回す考え方は、中小企業のためのAIコンテンツ制作フローでも整理しています。

リクマ

リクマ

制作では、全体を一度に仕上げる進め方がうまくいかず、部分ごとに見比べて直す進め方へ変えました。画像も最初の1枚で確認点を決めてから増やすのを勧めます。

生成の時間だけでなく、確認と修正の時間も測りましょう。従来の方法で同じ品質に仕上げた場合と比べます。合計の作業時間と、使えた枚数が分かれば、続ける用途を選びやすくなります。


よくある質問

無料プランでも商用利用できますか

サービスによります。無料だから一律に禁止、というものではありません。逆に有料でも、会社の売上の規模によって上のプランが求められることがあります。たとえばMidjourneyは、年間の総売上が100万米ドルを超える企業が会社で使う場合、Pro/Megaが必要と案内しています。自社が使うプランのページを、その都度確かめてください。

AIで作ったと表示する必要がありますか

必要な表示は、載せる先や内容によって違います。一律に不要と判断せず、まず次の2つを確かめてください。

  • 載せる媒体のルール(プラットフォームのポリシーや、広告主の規定)
  • 契約上の取り決め(クライアントとの合意)

また、表示したから権利の侵害が許される、というものでもありません。表示の話と権利の話は別です。なお、人が作ったものだと偽ることは、規約で禁止されている場合があります。

会社のロゴを画像生成AIで作ってよいですか

方向性のラフ案には使えますが、そのまま正式なロゴにするのは慎重に考えたいところです。ロゴは長く使い、他社にまねされたときに権利を主張したいものです。

前に触れたとおり、生成物に著作権が認められるかは、人間の創作的な関わりが論点で、確実とは言えません。既存の商標と似てしまうリスクもあります。正式に使う前に、人がデザインを整えましょう。必要に応じて、専門家と権利の確認・商標の調査を行う進め方をおすすめします。

お客様に納品する制作物に使ってよいですか

まず、そのサービスの規約が、第三者への納品を想定しているかを確かめます。そのうえで、お客様との契約で「AI生成物を使ってよいか」「権利は誰のものか」がどう決まっているかを確かめてください。ここをあいまいにして納品すると、あとでもめやすくなります。使うなら、前もって伝えて合意を取っておくのが安全です。


まとめ

画像生成AIの商用利用は、「使ってよいか」という1つの問いではありません。規約・第三者の権利・実物との食い違いという3つの確認に分けると、判断しやすくなります。

  • 規約は、入力する素材の権利・プラン・用途・公開の設定・ベータや外部モデルの5点を見る
  • 既存の作品との類似、人物や商標、実物との思い違い、お客様の素材の入力に気をつける
  • 実物を証明しない背景やイラストから始める
  • 生成したあとは人が確かめ、止める条件を決め、記録を残す

最初から全社で入れる必要はありません。SNSの背景1枚から試し、確認にどれだけ手間がかかるかを実感してから、範囲を広げましょう。無理なく続けやすい進め方です。

画像の制作も含めたAIの使いどころを整理したい方は、NutritsのAI活用支援をご覧ください。

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WRITTEN BYこの記事を書いた人

代表 中山

Nutrits 代表中山

埼玉県川越市を拠点に、中小企業のホームページ制作・Web改善・AI活用支援・EC・店舗送客支援を行っています。

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