ホームページを作ろうと制作会社を探しはじめたものの、どこも同じに見える。そんな経験はないでしょうか。
実績を見ると、どの会社もきれいなサイトを載せています。提案書には「SEOに強い」「集客を支援」「公開後も伴走」と書かれています。それなのに、見積もりは数十万円から数百万円まで大きく違います。
この状態でデザインの好みや金額だけで決めると、公開後に困ることがあります。「思っていたものと違う」「自分で更新できない」「問い合わせが増えない」といった具合です。
制作会社選びで大切なのは、安い会社や有名な会社を探すことではありません。自社の目的を理解し、契約の中身をはっきりさせ、公開後の運用まで具体的に説明できる会社を選ぶことです。この記事では、比べるときに確かめたい15項目を、面談でそのまま使える質問とあわせてまとめます。
ホームページ制作会社は「デザイン」より先に3つを見る

最初に確かめたいのは、次の3つです。
- 目的: 何を達成するために作るのか
- 契約: どこまで対応し、誰が責任を持つのか
- 運用: 公開した後、どう育てるのか
デザインはもちろん大切です。ただ、デザインは目的をかなえるための手段です。問い合わせを増やしたいサイトと、採用の応募を増やしたいサイトでは、必要なページも導線も変わります。目的があいまいなまま見た目だけを整えても、うまくいったかを判断できません。
契約も同じです。原稿、写真撮影、スマホ対応、アクセス解析、保守、修正の回数が見積もりに入っているかで、総額は大きく変わります。条件が違えば、金額を並べても正しく比べられません。
見落とされやすいのが、公開後の運用です。ホームページは、公開した瞬間が完成ではありません。検索された言葉、よく読まれているページ、問い合わせにつながった導線を見ながら、内容を直していきます。
Nutritsも、制作やSEO、EC運用に関わる中で、見た目を整えるだけでは成果が出ない場面を見てきました。だから今は、導線・計測・更新のしやすさまで含めて、ホームページを事業の資産として育てることを大切にしています。
制作会社選びで失敗しやすい3つの理由
失敗の原因は、制作会社の技術力だけではありません。多くは、発注前の情報不足と、認識のずれから始まります。
目的を決めずに相見積もりを取っている
「会社案内のホームページがほしい」という依頼だけでは、制作会社ごとに前提が変わります。ある会社は5ページの小さなサイトを、別の会社は取材やSEO設計を含む20ページのサイトを提案するかもしれません。この2つの見積もりを比べても、同じものを比べたことにはなりません。
問い合わせ、採用、来店、資料請求、認知の拡大。まずは、いちばん大事な目的を1つ決めましょう。公開後に見る数字まで伝えておくと、提案の違いが分かりやすくなります。
見積もりの総額だけを見ている
安い見積もりには、安くできる理由があります。テンプレートを使う、ページ数を抑える、原稿や写真を自社で用意する、公開後のサポートを別料金にする。どれも悪いことではありません。自社の目的に合っていれば、理にかなった選び方です。
問題は、何が含まれていないかを確かめずに契約することです。後から原稿、撮影、機能の追加、修正、保守が別料金だと分かれば、予算を超えてしまいます。
営業担当者の印象だけで決めている
相談のときの対応が丁寧でも、実際に作るのは別の担当者、ということがあります。営業、ディレクター、デザイナー、エンジニア、運用担当。それぞれの役割を確かめずに進めると、契約後に話が伝わっていないこともあります。
最後の候補を選ぶ段階では、制作の責任者や、公開後の担当者にも同席してもらいましょう。「誰が、何を、いつまでに担当するか」が見える会社ほど、進めている途中の行き違いが減ります。
契約前に外したい、危ない会社のサイン
よい会社を探すのと同じくらい、避けるべきサインを知っておくことも大切です。次のような説明があったら、その場で契約せず、根拠を確かめてください。
「必ず売上が上がる」「必ず上位に表示される」と言い切る
売上や検索順位は、商品の力、競合、予算、更新の状況など、多くのことに左右されます。制作会社だけで約束できるものではありません。
国民生活センターが公開する裁判例にも、ホームページ制作の勧誘で「すぐ売上が出る」かのような説明が争われた例があります。強い約束より、計測のしかたや改善の手順を具体的に説明する会社を選ぶほうが堅実です。
見積もりが「ホームページ制作一式」だけ
「一式」だけでは、ページ数、機能、原稿、撮影、SEO、テスト、保守の範囲が分かりません。比べられる程度まで、内訳を出してもらいましょう。
契約書を見る前に、入金を急がせる
著作権、途中解約、検収、追加費用、納品物、外部への再委託などを確かめる前の入金は避けましょう。高額な契約や複雑な機能を含む場合は、必要に応じて専門家にも確かめてください。
管理画面やアカウントを渡してくれない
ドメイン、サーバー、CMS、Google Analytics、Search Console。これらを制作会社だけが管理していると、契約が終わった後に自社で運用できなくなるおそれがあります。持ち主と管理する権限を、契約前に決めておきましょう。
公開後の話がほとんど出てこない
「納品したら終わり」という契約が悪いわけではありません。ただ、その場合は、更新、バックアップ、セキュリティ対応、アクセス解析を誰が行うかを、自社で決める必要があります。運用の担当がいないなら、公開後まで相談できる会社を選ぶほうが安心です。
ホームページ制作会社の比較チェックリスト15項目

ここからは、候補の会社との面談でそのまま使える確認項目です。答えの上手さだけでなく、見積書、設計書、管理画面、レポートの例など、実物も見せてもらうのがポイントです。
| 項目 | 面談で聞く質問 | 確認したい内容 |
|---|---|---|
| 1. 目的の理解 | このサイトの成功をどう定義しますか? | 問い合わせ、採用、来店などの目的を具体化できるか |
| 2. KPIと計測 | 公開後にどの数字を見ますか? | 主要な行動と計測方法が提案されているか |
| 3. 想定顧客 | 誰に向けて、何を伝える設計ですか? | 顧客像と訴求内容がつながっているか |
| 4. 事前調査 | 制作前に何を調べますか? | 競合、検索ニーズ、既存導線、アクセス状況を確認するか |
| 5. ページと機能 | 見積もりに含まれるページ・機能は何ですか? | 対象範囲と対象外が明記されているか |
| 6. 原稿と写真 | 原稿作成や撮影は誰が行いますか? | 発注者側の作業量と追加料金が分かるか |
| 7. 制作体制 | 実際の担当者と役割を教えてください | 営業以外の責任者と連絡経路が明確か |
| 8. スケジュール | どの段階で何を確認しますか? | 素材提出、デザイン確認、実装、テスト、公開の流れがあるか |
| 9. 見積もり内訳 | 金額に含まれないものは何ですか? | 撮影、素材、機能追加、修正、保守などが区別されているか |
| 10. 仕様変更 | 途中で変更した場合、どう再見積もりしますか? | 追加費用の条件と承認手順があるか |
| 11. 契約・権利 | 著作権、データ、アカウントは誰に帰属しますか? | 納品物、利用権、管理権限、解約条件が明確か |
| 12. 更新のしやすさ | 自社でどこまで更新できますか? | CMSの操作性、権限、マニュアル、研修があるか |
| 13. SEOと集客 | SEOで何を行い、何を保証しませんか? | 誇大な順位保証がなく、技術・内容・運用を分けて説明できるか |
| 14. 品質と安全性 | スマホ、速度、アクセシビリティ、セキュリティをどう確認しますか? | 公開前テストと公開後の更新方針があるか |
| 15. 公開後の改善 | 公開後3か月で何を見直しますか? | レポート、改善提案、保守範囲、対応窓口が分かるか |
15項目すべてを最高の水準で満たす会社が、自社にとって一番とは限りません。名刺代わりの小さなサイトなら、細かい分析や毎月の改善支援までは必要ないこともあります。
大切なのは、自社に必要な項目と、いらない項目を分けることです。そのうえで、必要な部分を具体的に説明できる会社を選びます。
費用は「安い・高い」ではなく、含まれる範囲で比べる
公開されている料金を見ると、ホームページ制作の費用には大きな幅があります。おおまかには、次の4つに分かれます。
- テンプレート・サブスク型: 初期費用を抑えて、早く公開しやすい
- 小規模オーダー型: 数十万〜100万円前後で、小さなサイトやLPを作る
- 戦略・設計込みの制作: 調査、情報設計、原稿、CMS、計測を含み、100万円台後半〜数百万円になることがある
- フルオーダー型: ブランド設計や大規模な調整を含み、さらに高くなることがある
価格の差の多くは、ページを作る作業そのものではなく、その前後にどれだけ手間をかけるかで生まれます。調査、インタビュー、競合の分析、原稿、撮影、解析の設定、公開後の改善支援まで含めれば、費用は上がります。逆に、構成と素材を自社で用意し、テンプレートを使い、公開後も自社で更新するなら、費用は抑えられます。
比べるときは、各社の見積もりを次の項目に分けると分かりやすくなります。
- 企画・調査・要件の整理
- デザイン
- コーディング・CMSの組み込み
- 原稿・写真・動画
- SEOの初期設定
- アクセス解析・問い合わせの計測
- テスト・公開作業
- 保守・更新・改善支援
一般的な費用の目安は、こちらでも整理しています。
3〜5社を比べて1社に絞る手順

候補を増やしすぎると、情報が多すぎて判断できなくなります。最初は3〜5社ほどに絞り、同じ条件で比べるのがおすすめです。
手順1:目的と「今回はやらないこと」を1枚にまとめる
まず、次の内容をA4用紙1枚ほどにまとめます。
- ホームページを作る目的
- いちばん増やしたい行動(問い合わせ、応募など)
- 想定するお客さま
- 必要なページと機能
- 希望の時期
- 予算の上限と目安
- 今回はやらないこと
「今回はネットショップの機能を付けない」「多言語化は次にする」。こうしてやらないことを決めておくと、提案が膨らみすぎません。ホームページの役割を整理したいときは、こちらも参考になります。
手順2:同じ資料を3〜5社に渡す
会社ごとに違う説明をすると、提案の条件も変わってしまいます。全社に同じ資料を渡し、同じ質問をしてください。提出の期限や、提案に入れてほしい内容もそろえます。
手順3:「これはだめ」に当てはまる会社を先に外す
点数をつける前に、次の条件に当てはまる会社を外します。
- 成果や順位を、根拠なく約束する
- 見積もりや契約の説明があいまい
- 権利やアカウントの扱いを説明しない
- 実際に誰が作るのかが分からない
- 質問への答えが毎回変わる
安くても、事業を続けるうえで大事な条件があいまいなら、候補から外したほうが安全です。
手順4:大事な項目に重みをつけて採点する
15項目を、すべて同じ点数で比べる必要はありません。今回の目的に合わせて重みを変えます。
- 問い合わせを増やしたい: 目的の理解、お客さまの理解、計測、公開後の改善を重く見る
- 採用を強化したい: 取材の力、コンテンツ制作、更新の体制を重く見る
- 早く会社案内を作りたい: 納期、費用、更新のしやすさを中心に見る
最後は、合計点だけで決めないでください。「この会社と、公開後も率直に話せるか」を確かめます。ホームページは一度作って終わりではなく、長く改善していく資産だからです。
公開後の運用・計測・保守まで確かめる
制作会社を選ぶ段階で、公開後の話をするのは早いと感じるかもしれません。でも、ここを後回しにすると、公開した後に担当者がいない状態になりがちです。最低限、次の4つは決めておきましょう。
- 誰が文章や事例を更新するか
- 問い合わせや資料請求をどう計測するか
- CMSやプラグインを誰が更新するか
- 不具合やセキュリティの問題が起きたとき、誰に連絡するか
Google Analyticsでは、問い合わせの送信など、事業にとって大事な行動を「キーイベント」として計測できます。公開のときに設定しておけば、どのページや流入元が問い合わせにつながったかを振り返れます。
セキュリティも、公開時に一度確かめれば終わりではありません。IPAも運用のチェックポイントとして、CMSなどのソフトウェアを把握し、脆弱性に対応し、定期的に確かめることを挙げています。
ホームページの成果は、大きなリニューアルだけで決まるものではありません。問い合わせボタンの位置を見直す。よくある質問を足す。事例を1本増やす。こうした小さな改善を続けられる体制のほうが、長い目で見ると価値があります。
社内にWeb担当者がいないなら、更新の代行だけでなく、「何を優先して直すか」まで相談できるかも確かめてください。作業を頼めることと、事業の目的から提案してもらえることは別です。
よくある質問
ホームページ制作会社は、何社くらい比べればいいですか?
3〜5社ほどが現実的です。候補が多すぎると、比べる軸がぶれやすくなります。同じ依頼資料と同じ質問で、条件をそろえて比べてください。
地元の制作会社と、全国対応の会社はどちらがいいですか?
対面での相談や地域のことをよく知っていることを重視するなら、地元の会社に利点があります。専門性の高い分野では、全国対応の会社が合うこともあります。所在地だけで決めず、目的への理解、連絡の体制、実績、公開後の支援で判断しましょう。
いちばん安い制作会社を選ぶのは危ないですか?
安いこと自体が危ないわけではありません。テンプレートを使ったり、素材を発注側で用意したりして、理にかなった形で安くしている会社もあります。大切なのは、含まれる範囲、追加料金、公開後の運用を理解したうえで選ぶことです。
SEOに強い制作会社は、どう見分ければいいですか?
見るのは、順位の保証ではありません。検索した人の意図、サイトの構造、ページの内容、技術的な設定、計測、公開後の改善を分けて説明できるかです。Googleも、検索で1位になる秘訣はないと案内しています。具体的な作業と、その確かめ方を質問してください。
契約前に、必ず確かめるものは何ですか?
見積書、提案書、契約書の案、制作の体制、スケジュール、納品物、権利の帰属、追加費用、保守の範囲です。高額または複雑な契約では、必要に応じて専門家に相談してください。
まだ要件が整理できていなくても、相談できますか?
相談できます。ただし、すぐ制作に入るのではなく、目的と優先順位を整理する工程が必要です。要件があいまいな段階で固定の見積もりを出す会社より、最初に整理すべきことを説明してくれる会社のほうが安心です。
まとめ:目的・契約・運用を説明できる会社を選ぶ
制作会社選びで失敗を減らすには、デザインや金額だけで決めないことです。
- 目的と、うまくいったかを測る指標を言葉にする
- 同じ条件で3〜5社を比べる
- 見積もりの内訳と、含まれないものを確かめる
- 契約、権利、アカウントの扱いを確かめる
- 公開後の計測、保守、改善まで決める
ホームページは、作って終わるものではありません。事業の変化に合わせて情報を更新し、読んだ人の反応を見ながら育てるものです。その考え方を共有できる制作会社なら、公開後も長く相談しやすくなります。
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参考情報
FREE DIAGNOSIS
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